地震で失われた「九寨溝」の景観、専門家「人為的な修復すべきでない」―中国メディア

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四川省北部のアバ・チベット族チャン族自治区で8日夜に発生した地震は11日午後11時までに24人の死亡が確認されたほか、ユネスコの世界遺産にも登録されている九寨溝風景名勝区にも甚大な被害を与えた。観光地としての存続の危機と言えるが、中国メディアの新京報によると、専門家は失われた景観の人為による修復はすべきでないとの意見を示している。

九寨溝の魅力は、時間帯によって青やオレンジなど独特な色を見せる大小さまざまの幻想的な池や湖、さらに高低差のある地形により生じた渓流や滝などの光景だ。そのため2016年には通年で観光客が500万人を突破する人気の観光スポットになった。観光収入は通年で8億500万元(約132億円)に達したという。

その九寨溝が8日の地震で大きな被害を受けた。山崩れや滝の崩壊が発生し、神秘的な透明さが魅力だった池や湖の水も混濁した。地元経済にとっては観光地としての存続の危機と言える状況だ。多くの中国人も九寨溝の今後に心を痛めている。

そんな中で新京報は11日、専門家は九寨溝の人為による修復について否定的な見解を示したと伝えた。

国家地震安全性評定委員会副主任も務める中国地震局地質研究所の徐錫偉(シュー・シーウェイ)副所長は、九寨溝の美しい風景は、長い地質年代にわたって何度も発生した大地震など、地質構造運動の結果としてもたらされたものと指摘。「自然の移り変わりの過程により形成されたものであるからには、人為による修復はすべきでない」と述べたという。

さらに観光を専門ととする北京第二外国語学院の王富徳教授も、自然景観の人為的修復には反対した。王教授は「地震により一部の景観が損なわれたことは天災」とした上で、天災であったとしても「大自然の『鬼斧神工』」だと表現。つまり「人の力や人知の及ばない力によるもの」との考えを示し「美醜にかかわらず、やはり大自然の作品。自然遺産という地位は不動だ」と主張した。

王教授は「大原則として、人による干渉や修復はできるかぎり控える」ことを主張した上で、「観光業の立場から、道路や観光客受け入れ施設などの適切な修復はしてよい」との考えを示した。(翻訳・編集/如月隼人)





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